せんす |
仕事の準備で日本橋へ。
老舗の多い日本橋は歴史と伝統を今に伝える立派な店構えのお店も多く自然と背筋が伸びるような粋でいなせなお江戸の風情を感じられます。老舗めぐりも楽しいものですが意外と地方のアンテナショップもあったりして今も昔もここがはじまりの土地として息づいていることを実感できる楽しい街です。
老舗百貨店の日本橋三越本店と高島屋日本橋本店へ伺いました。ショッピングアテンドのご予約をいただいたお客さまのリクエストに合う商品をさがすためですが地下鉄でいつも思うのはこの街に集う人々の上品な美しさです。
ご年配のご婦人方もおしゃれをして地下鉄で向かうデパートでのショッピングを楽しみにされているご様子が伺えます。年輪を重ねたその洗練された上品で美しい装いからは成熟した心持ちまでも伝わってくるようで本当に素敵です。
言葉ではなくその佇まいから内面の美しさまですべてが伝わってくるような聡明な女性は憧れです。バブル全盛だった学生時代ブランドに多くの人が価値を感じていた頃に私は学校帰りに百貨店内にあるプレタポルテのショップでアルバイトをはじめました。
社内セールなどで店頭ではありえない価格で手に入る自社製品にアルバイト代を使ってしまったこともありました。そんな様子に母からは『自分で働いたお金をどう使うかは自由だけど年齢にあったものをきちんと選ばないともったいないわよ』と忠告を受けることもありました。
お買物は自分で経験して失敗を繰り返さないとわからないことも多くありますよね。そんな時代にある元首相夫人がファッション誌に書いていたコラムが今でも印象に残っています。『上品と言うのは品性が上等ということです。決してブランド品で外見を装うことではありません。今の若い女性たちへは内面の美しさを磨くことを伝えたい』はっきりとは覚えていませんがこのような内容だったと思います。
『品格』という言葉がひとときブームとなりましたがブームで終わらないのが本物の証だとするとこの街に集うご婦人方はそのお手本のような方々ばかりでその佇まいが強くメッセージを伝えてくれているように思います。そんな女性に少しでも近づけるように毎日楽しく充実した時間を重ねて行きたいと思わせてくれる街です。
その日本橋の通り沿いで美しい『せんす』が並んでいるお店をみつけました。先を急いでいたものの思わず足をとめてしばし見入ってしまいました。折りたたみのできるコンパクトなせんすはバッグの中に1つあるととっても便利ですよね。贈り物にも喜ばれます。
おせんすが似合う素敵な女性になりたいですね。