秋の七草 |
先日、実家に立ち寄ったらこんな贈り物が届いていました。
『秋の七草』の刺繍の入ったハンドタオルでした。こどもの頃からいつもわが家に来る度に心のこもった贈り物を用意してくれている叔母からでした。祖父のお墓参りに来てくれたそうで、実家から独立した今もずっと変わらず1人1人の名前を書いて預けてくれるのです。
七草というとお正月の七草粥を思い浮かべますが、本来は秋の七草をさすのだそうです。萩(はぎ)・尾花(すすき)・葛(くず)・女郎花(おみなえし)・藤袴(ふじばかま)・桔梗(ききょう)・撫子(なでしこ)和歌に登場しそうな情緒あふれる草花たちに叔母のやさしい気持ちが重なりました。
『今度、帰ってきたときに渡してね。ハンカチにでも使って。』と母に預けてくれていたものでした。とても肌ざわりがよかったのでサロンでお客さま用に使わせてもらっています。先日、カラーコンサルティングにいらした方が『とても気持ちのいいタオルですね。』と言葉をかけて下さったことがとてもうれしかったのです。
いつか恩返しをしたいなと思いながらまだできていませんでした・・・。お金で買えるものではなくてお料理を作ったり一緒に過ごす時間を持てたらいいなと思っています。
七草粥と言えば、今年のお正月に当日の夕方、七草を買いにスーパーに寄ったところ売り切れでした。もしかして在庫があるのでは・・・と店員さんに聞いてみたら『数量が限られているのですみません・・・』と、インドの方らしく逆に質問を受けました。そのスーパーは外国人の方も多く訪れるせいか店員さんも外国の方が多いのです。
『どうして日本人は今日これを食べるのですか?』スーパーの人は教えてあげていないのかしら?と思いながら、説明をしました。『他にももうないのですか?と言うお客様がたくさんいたので・・・』素朴な疑問だったのでしょう。『来年はもう少し仕入れても売れるかもしれないですよ!』と余計なことを言って七草サラダで代用したのですが、ちょっとした会話に心がなごみました。
季節のものは時期が限られているだけに贅沢なきもちもしますが四季のある日本ですから季節の移ろいを楽しむきもちを大切にしたいですね。